城定にしてはパンチが弱いけど、なんとも言えない最後でそこは好き。
この手の悪女系ストーリーは城定以外にも市川崑や今村昌平、あるいは増村保造と先達が多くいたのでそれを乗り越えているかと言うとそれほどでない。でも「その男凶暴につき」でしか聞いたことのないエリック・サティがバックに流れるのは何とも言えない怖さがある。
たぶん、実話ものだからだろうか、最後もでーんって感じでそこから脱却できなかったのもいただけない理由だろう。そういえば実録物だと石井輝男なんかも逸脱が出来なかったような。
と文句言ったけど主演のめぐりは何とも言えない悪さがいい。これは僕の個人的経験だけど悪い女はちょっと太目が多い（あくまで僕の経験）。決して美人でないけどついつい惹かれてしまうその引力があるんだよ。城定ならではのエロとするっと殺してしまおうとする悪さが丁度いい引力で惹かれている。ああ、怖い怖い。
というわけで新年1作目がこれかよって思うけど今年もよろしくずずずぃってお願いします。
