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ジャスティス・リーグのnoteのネタバレレビュー・内容・結末

ジャスティス・リーグ(2017年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

自らの命を賭して地球の危機を救ったスーパーマンの死後、迫りくる強大な敵に立ち向かうため、バットマンがワンダーウーマンとともに新たな仲間を探していく。

DCコミックのスーパーヒーローが結集して戦うアクション超大作。
「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」の続編で、リブートされたスーパーマンシリーズの第3作である。
DCコミックシリーズはダークでシリアスな持ち味が売りだったのだが、残念ながらそこは薄味。
且つ社会問題の隠喩も少なめなため、少々お子様向けになってしまった感がある佳作である。

スーパーマン亡き後も街を守るバットマンことブルース・ウェイン。
彼は謎の侵略者の姿を目にしており、仲間を探すため暗躍していた。

かつてスーパーマン達と戦ったワンダーウーマンもまたブルースへと協力。
彼女はブルースに故郷の島が襲われ、一族が守っていたマザーボックスがステッペンウルフという怪物に奪われてしまった事を伝える。

世界に3つ存在するその箱は、かつてステッペンウルフと戦い、倒したアマゾン、アトランティスそして人間の3つの種族により秘密裏に守られていた。

マザーボックスとは何か?
ステッペンウルフは何者で、どこから来たのか?、そしてマザーボックスを集めて、最終的に何をしようとするのか?
良く分からないのが残念だが、とにかく悪党に狙われた地球が危ない。

バットマンとワンダーウーマンの呼びかけに応じて集まったのは、アクアマン、サイボーグ、フラッシュという、いずれも一筋縄ではいかない個性の強い超人たち。
バットマンは彼らをまとめ、地球の危機に立ち向かわなければならないが…。

スーパーマンの死後、世界は暗く絶望感に溢れている。
望まれる彼の復活は、救世主としてのキリストの隠喩であり、宗教的なイメージが感じ取れる。
サイボーグに見られる暴走する進化はシンギュラリティの隠喩だろう。
面白いと思えるDCシリーズ特有のシリアスな設定はそれくらいだ。

もちろん、一人一人をスカウトする構成や、バラバラなヒーローたちがそれぞれにハーモニーを生み出していく過程には安定した面白さがある。
「友達が欲しいから」と仲間に加わり、高機能自閉症のような振る舞いでボケをかますフラッシュは、MCUのスパイダーマンを意識したような立ち位置で全員がシリアスでは疲れるだろうと清涼剤となるコメディリリーフとなっていて笑いを誘う。
バットマンの能力は「金持ち」という最高のギャグを引き出している。

スーパーマンが復活した最終決戦は、スーパーマン1人だけ能力が高すぎて、ステッペンウルフを圧倒する。
他のヒーローは彼のサポートに回って雑魚キャラと戦っている印象。
フラッシュに至っては完全にパシリ扱いである。
明らかにパワーバランスがおかしい。
時間さえ掛ければ、スーパーマン1人で事態を解決できたのではないか?と思えてしまう。

やはり、悪役の設定が弱いのが最後に響いてきてしまうのが残念。
キャラクターのドラマのシリアスさと現実とリンクする社会問題も控え目。
アクションも全員が協力しなければ成し得なかったというものが無く、リブートされたスーパーマン前2作と比較しても破壊の規模も小さい。
あと一歩、突き抜けたものが欲しかった。
どうしてもMCUを意識したマイルドさを感じてしまう。

評判の良い4時間もの長さのザック・スナイダーカットは違うのかもしれない。
機会があれば見てみたい。
DCシリーズには大人向けのシリアスなドラマが欲しいのだ。
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