デニロ

虫女のデニロのレビュー・感想・評価

虫女(1972年製作の映画)
2.5
1972年製作公開。脚本キム・ギヨン 、キム・スンオク 。キム・ギヨン(金綺泳)監督作品。

日本では丁度日活ロマンポルノが勃発した頃で、本作も似たような画面で、バックの音楽もソフトなタッチで雰囲気は同じ。アメリカのソフトポルノの影響が共にあるのだろうか。

話はよく分からない。

主人公は女子高生ミョンジャ。父親が死に家計が苦しくなると、お前は水商売の女になって兄さんの大学の学費になれ等々男尊女卑の極みを描き、スナックに勤め始めると妙な女主人の策略にまんまと嵌り貞操を売りに出される。やり手の嫁に蹂躙され不能に陥った男に買われることになるが、肌のつややかさに男は興奮し泣きじゃくるミョンジャを凌辱して果てる。転んでもただでは起きないミョンジャは男の愛人となり、虎視眈々と本宅乗っ取りを企図する。強気の妻はミョンジャに子供が出来ぬように夫をパイプカットしたりして対抗する。熾烈な戦いの果てにミョンジャは一軒家を手に入れるが本宅母子一家が結束して妨害を仕掛ける。白ネズミを仕掛けられたり、新品の冷蔵庫に赤ちゃんが入っていたり、その赤ちゃんを大事に育てるミョンジャの姿も異様だが、赤ちゃんが行方不明になるという事件まで起こり、もはや混乱の坩堝。何が何だか分かりません。ストーリーなんてなくなっています。

ルイス・ブニュエルの作品を模倣しているのではとも思うのだが、あっさり淡々とはしていない。ヨーロッパとアジアの違いなのでしょうか。
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