飯

波長の飯のレビュー・感想・評価

波長(1967年製作の映画)
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侵略性のあるまなざしはカメラの長時間の介在により、外在的・異質的性質が排除される。この緩やかな過程において、床、壁、窓や外にあるものと溶け合っていく。
殊に色彩が変化しているうちに、徐々に深まるこの過程自体が、物理的な「モノ」を超越している。
生命体のない静止は単純な無運動ではなくなり、異なる「波長」のなかでの安定的な関係となる。
機械の叫び声のなかでカメラは壁に付けられている波浪の写真にフォーカスする。このとき、波浪は対象として写真を超えることができた。カメラの侵入によってつくられたこの空間に戻ると、全てが変わった。
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