真世紀

博徒一家の真世紀のレビュー・感想・評価

博徒一家(1970年製作の映画)
3.7
時は明治41年、賭博への手入れが強まる中、志村喬の老組長が引退。大木実、高倉健、若山富三郎の三人の兄弟分のうち、大木実が跡目を継ぐことに。敵対する渡辺文雄の組に殴り込み、獄中にいる高倉健を差し置いてと遠慮した大木だが、刑期が明けるまで間があることから襲名、健さんとは本家、分家の関係になることに。元々は兄弟分の二人だが、健さんは客分の鶴田浩二の説得もあり、出獄と共に五分の盃をなおして一分下げて、大木の舎弟となることを受け入れる。この盃事は映画で初めて観た気がする。

若山の妹役に藤純子さんが出演。健さんラブで、押し掛け女房の藤純子さん、健さんに拒否されての「泣いても一生、笑っても一生なら、あたし、好きな人のために泣きたいんです」。うーん、たまらんなぁ。

最初の殴り込みの後、警察に連行される健さんに着ていた上着を羽織らせる藤純子さん、そして、最後の殴り込み前では健さんが着ていた上着を藤純子さんの肩に掛け、去っていく。こういう反復もいいよね。

土建業に活路を見出だした大木はかつての敵、同業の渡辺文雄と五分の兄弟分の盃を結ぶことに。そして、そこからかつての三兄弟の歯車が狂っていくことになる。うん、浅草の東武線開業の裏にこんなに血が流れていたとはしらなんだ(爆)。

なお、本作、正直、二時間弱とこの手の映画にしては尺が長いんだけど、二日に分けて観たので、そんな違和感無しでした(爆)。
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