円柱野郎

エクス・マキナの円柱野郎のネタバレレビュー・内容・結末

エクス・マキナ(2015年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

閉鎖的な空間で展開する物語は、内容は違うのに「CUBE」や「月に囚われた男」といった低予算SFスリラーと同じ匂いがして不思議な感じだった。
人と機械の境界線はいったいどこかという問いはSFの歴史で言えば古くからテーマにされていることで、それについては目新しいところもない。
ただこの作品の良さは、ほとんどがその画面から伝わる雰囲気にあるだろう。
自然があふれる外界と無機的な屋内の対比。
人と機械を隔てる透明な壁。
嘘と真実。
ビジュアルと展開の相乗効果が良くまとまっている。
1500万ドルほどの低予算だそうだが、そこは全く不利には働いてない。

画面的には最後まで静かだが、ストーリーは攻守が割と逆転したりして引き込まれる。
テストしているのかされているのかが分かるのは終盤だが、完成された人工知能が人間のそれと区別がつかないという怖さの、そのギリギリの線上で行ったり来たりしている感覚は面白いね。
最終的にエヴァの目的を理解したとき、究極のAIをその眼に観たことになるのか。
嘘をつける、ふりをするというのは意識の上でかなり高度なことだろう。
そこには“ゴースト”が宿ったのだろうか。

ケイレブ役はドーナル・グリーソン、ネイサン役はオスカー・アイザックで、良く考えたら「SW フォースの覚醒」組じゃないかw
エヴァ役はアリシア・ヴィキャンデルも、感情の裏の裏まで感じさせる抑制的な感じが良い。
ちなみに、ラストで閉じ込められたケイレブ。
その前の場面でドアロックにハッキングできる腕を見せているのだから出られるんじゃないの?と思ったが、その後ちゃんと停電の描写が。
OKw
円柱野郎

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