世界最大の検索エンジンブルーブックの社員であるケレイブは、創業者で社長のネイサンに別荘に招かれる。
ネイサンはケレイブに、自らが完成させたAIアンドロイド「エヴァ」を会話を通してチェックして欲しいと頼む。
驚くべき完成度を誇るエヴァ。ケレイブは彼女との交流を深めていくが・・・・。
主たる登場人物はたった４人で、場所は人里離れた山荘。
この状況で面白いスリラーサスペンスを成り立たせるには、相当の工夫が必要と思われるが、今作は見事成功したと言えるだろう。
「『AI』が後に進化した場合、もしかしたらこんなことになるのでは？」という様な、漠然とした不安や興味をこの作品は上手く扱っている。
それと同時に人間の低俗さと陳腐さも感じさせる両輪合間った面白さがある。
最適、最効率のAIが感情的になる、反対に感情移入、共鳴できる人間が機械的に物事を進めていく。
哲学的なセリフを引用しつつ、両者の立場が徐々にクロスオーバーする境目にも不思議な面白さがある。
将来的にほとんどの仕事はAIにとって代わられると言われる昨今。
感情まで完璧に理解されれば、我々はもうAIに勝てるものは無くなるのではないかとさえ思わされる。
(2017/03/12)
