このレビューはネタバレを含みます
自身の体を"本物"にし、普通の生活を送りたいレイ。レイのホルモン治療をきっかけに今まで目を背けてきたものから目を背けずにいられなくなった母。レイの考え方をいまいち理解できない祖母(と恋人)。この物語の主役はこの三人だ。
特にレイとマギーの視点が多いかな。
綺麗な物語だったなと思う。ハッピーエンドで終わるし。
レイとマギーの母子だけではなく、マギーとドリーが母子として歩み寄っていく姿が見れたし、この三人の成長が伺える。
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レイの性と体が伴わないことへの葛藤や理解してもらえない辛苦など見ていて辛い場面もある。好きな女の子には女友達としてしか見られてなかったり……
で、実を言うと私はトランスジェンダーの問題を今作ではたくさん見れると思ってみた人間なのである。
だから、ちょっと悲しかったかな。
で、その理由は以下の通りらしい。
「この映画はワインスタインがプロデューサーで、トランスジェンダーの部分を薄め、「家族愛」ものにしろと言われて大幅な修正が行われたということを知った。原題は『3Generations』(三世代)となっているが、元々は邦題でも採用された『About Ray』であったらしい。想像するに、製作者側は私が観たかったような、トランスジェンダーの人たちの心情に突っ込んだ作りにしたかったのだが……」