エソラゴト

デヴィッド・ボウイ・イズのエソラゴトのレビュー・感想・評価

デヴィッド・ボウイ・イズ(2013年製作の映画)
-
大回顧展『David Bowie is』は、2013年3月から約半年間、英国ビクトリア・アンド・アルバート博物館で開催された。その後世界各地を周り、2017年ここ日本でも開かれ自分も足を運んだ。

本作は、この展覧会の紹介とクロージングナイトの模様を収録したドキュメンタリー作品となっている。

展覧会自体はデビッド・ボウイ自身の今迄の足跡や各年代を彩った彼独特の個性的な衣装の展示や自筆の作詞ノート等といった大回顧展に相応しい彼の全てを丸ごと詰め込んだ大変見応えのある内容になっている。

合間に挟まれる所縁の人達のトークショーでは山本寛斎氏が登場し、ボウイとの出会いや交流について語った。(因みに日本での展覧会会場では大島渚監督作品『戦場のメリークリスマス』で共演した北野武氏や坂本龍一氏のコメント映像が流された)

「デビッド・ボウイ 山本寛斎」で画像検索すると必ず出てくる突飛ながら芸術的な衣装(言葉では表現出来ない)についてのエピソード等を聞けた後の最後の締めの言葉がとても印象的で胸が熱くなった…。


「彼とは言葉は通じなかったけれど、魂(Soul)で繋がることが出来ました」


終盤に登場する彼と所縁のある人物名を元素記号で模した周期表は、彼があらゆるジャンル(音楽だけでなく、映像、写真、ファッション等といった全てのカルチャー)に大きな影響を与えていることを如実に表していて大変興味深いものだった。

2016年新年を迎えてすぐ、69歳の誕生日と通算25枚目のニューアルバムを発表した2日後に彼は真の「スターマン」に…。

自分は彼のキャリアの中で1番評価の割れる80年代の音楽から聴き始めたクチだが、その後「ジギー・スターダスト」等の初期作品やベルリン3部作を巡り、彼のジャンルや国籍や人種など何物にも囚われない宇宙的で崇高な芸術性に触れることが出来たのが至福の喜び。