Mrsフロイ

ラスト・デイズ・オン・マーズのMrsフロイのレビュー・感想・評価

3.0
宇宙を舞台にしたSF映画が何時の頃から憂鬱感に満ちたものになったのはと、思い返して見る。

古くは「宇宙戦争」や「鉄腕アトム」「銀河鉄道999」、極めつけの「スター・ウォーズ」に「ET」の愉しさ!
能天気と言われればそれまでだが、宇宙は夢と憧れの彼方にあった。

米国が月に国旗を立てて、世界中が喝采したのはそう遠い昔ではない。
その後科学技術は長足の進歩を遂げ、映画の表現技術もそれこそ目を見張る発展をした。

そして知った宇宙は、漆黒の闇、無音、無重力そこに連なる果てしない孤独感…

本作は新宿ミラノ座の閉館記念作品として公開されている。
予告編無し映画泥棒無しのいきなりの本編上映。
館内の暖房機故障の為、観客は毛布を被っての鑑賞σ(^_^;)?

2036年火星の有人探索で、6ヶ月の調査期間を成果無く終えようとしている、その最後の日の出来事を描いている。
当たり前だがタコの宇宙人が現れる訳もなく、閉塞感溢れる基地での生活、成果を挙げられない焦燥感、人間関係の機敏等のリアリティーある展開。
そこに微小生命体の発見という転機が起こり、大きく事態が動き始める。

同じ系列としては「エイリアン」1979年、「遊星からの物体X」1982年と言えるが、そのハラハラドキドキ感は無い。
そう言えばエイリアンのリドリー・スコット監督の2002年「プロメテウス」も何だか憂鬱だったと記憶している。

同じ上映館の「インターステラー」をわざわざ回避?しての本作鑑賞だったが、庶民が考えるような宇宙は見果てぬ夢だったということなのだろうか…

何れにしても58年の歴史を閉じるミラノ座の記念に相応しい一本であることは、間違いない。
Mrsフロイ

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