Rena

ベル ある伯爵令嬢の恋のRenaのレビュー・感想・評価

ベル ある伯爵令嬢の恋(2013年製作の映画)
3.4
いつの時代も、どんな時も
毅然たる態度で自分の意見を述べる姿は惹き付けられますね。そして、出来上がった肖像画が映し出された時、そのあまりの美しさに、涙が溢れ出しそうになりました。

奴隷制度撤廃のきっかけとなったゾング号事件

黒人の血を引く伯爵令嬢 ダイド・エリザベス・ベル

こんな史実があったなんて知らなかった。

当時、婚外子で黒人の血を引くダイドは特異な存在であったことは容易に想像できますが、本当の姉妹のように育った又従姉のエリザベスが支えとなり、またこの二人を自身の娘のように育てたマンスフィールド卿夫妻や邸宅の人達がとても素晴らしく、厳しくもあったけれど、愛情を注ぎ、大切に育てられていた事が伝わってきて、胸が熱くなりました。
また、彼女達の叔父であるマンスフィールド卿がゾング号事件の裁判官であることにも驚きましたが、何か運命の様なものを感じました。

年頃になり、結婚相手を探すシーンはジェーン・オースティンの小説さながら。差別発言や手のひらを返す言動に開いた口が塞がらず、どうにも怒りがおさまらなかったのですが、そのような中、ダイドと対等に接する人達がいたことに救われました。

エミリー・ワトソンも、思っていた以上に出番が少なかった ( もっと見たかった!) マシュー・グードもとても素敵な人柄でしたが、私の中ではやはり、マンスフィールド卿を演じたトム・ウィルキンソン!このような役柄が本当によく似合い、説得力のある演技に引き込まれました。品位と威厳を感じる声が、いいですよね。
レイチェル・ポートマンの曲もよかったです。
Rena

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