Yukiko

ベル ある伯爵令嬢の恋のYukikoのレビュー・感想・評価

ベル ある伯爵令嬢の恋(2013年製作の映画)
4.6
2019年7月20日
『ベル ある伯爵令嬢の恋』2013年イギリス制作
監督、アマ・アサンテ。

1761年、ダイド・エリザベス・ベル・リンジーは生まれる。
父親のジョン・リンジー卿はイギリス海軍の艦長を務める。
母親のマリア・ベルはイギリス戦艦と交戦状態にあった
スペインの奴隷船から略奪されたアフリカ人奴隷だった。
母親が亡くなった後、父親のリンジー卿はベルを本国
イギリスのロンドン郊外に住む叔父マンスフィールド伯爵
の邸宅に連れて行った。
1769年、イギリスでは奴隷貿易が横行し、黒人に対する差別
もあったが、マンスフィールド伯爵はベルの存在を世間から
隠し、相応の教育と生活をさせることに決める。
マンスフィールド伯爵には子供がいず、母親を亡くした姪孫
エリザベスを引き取って育てていた。
二人が年頃になった頃、エリザベスには父の遺産は全く無く、
持参金の無い花嫁は嫌がられていたため中々良縁に恵まれない。
ベルには父リンジー卿が残してくれた多額の遺産があるが、
黒人ということで縁談は諦めていた。
ある日、マンスフィールド郷の元に法律家志望の男性、
ジョン・ダヴィーニエが訪ねてくる。
イギリスでは有名な首席裁判官のマンスフィールド伯爵に、
彼が担当する奴隷船ゾング号事件について、聞きたかったのだ。
また、アッシュフォード家の次男のオリバーが、ベルの
魅力に惹かれ、結婚を申し込む。
オリバーの母も、ベルに多額の持参金があることから、結婚に
賛成だった。


実話です。
黒人の美しい伯爵令嬢、差別と戦いながらどのように人生を
選択していくか?という映画。

イギリスの奴隷船問題を扱った映画に、実在の政治家である
ウィリアム・ウィルバーフォースの『アメイジング・グレイス』
という映画がある。
政治家を題材にしたこの映画も見応えがあり記憶に残る映画
だが、此方の『ベル ある伯爵令嬢の恋』は法律関係者から
この奴隷船問題をみた場合が映画の傍流として描かれる。
さてマンスフィールド伯爵はどのような判断を下すか?
ベルの存在、ベルの物の考え方が大きく影響していると
思われる。
ベルの賢さが好ましい♡

映画の中で、画家がベルとエリザベスの肖像画を描いていて、
この絵が現在にも存在。
スコットランドのバース、スターン・パレスに飾られている
とのこと。
所有しているのは現在のマンスフィールド伯爵とのことです。
ベルがとても魅力的にエキゾチックに描かれていますよ❤

マンスフィールド伯爵が住んでいた屋敷はケンウッドハウス
と呼ばれ、ベルは生涯ここに住んでいたそうだ。
現在は、国の美術館として維持される。
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