画面がとにかく暗い。
けど暗くないとダメな設定だから、見やすさを多少切り捨てても世界観を優先しててなんだかんだ良い。
何より後半が主に画面の暗さが目立つが、そのほとんどの背景は前半の明るい画面の時に見せていて、どういった空間なのかに戸惑うことはほぼ無い。
ホラーという要素を切り離せば、とてもワクワクする設定の映画だと感じた。
キャンパスを独り占め、更にはそこでサバイバル。
そんな大まかな全体像に当てはまるようにストーリーを形成したかのような製作過程を想像させてくれるシンプルな悪役。
思想や信仰を原理にした行動は、その根幹や動機といった部分を説明する必要が基本的にはないので、その分の尺を他に避けるのが良いところ。
この作品に関しては更にそれが良い方向に働いていて、
ホラーにおいて主人公がターゲットにされる時は、よく主人公にとって無自覚的に起こっていることが多いけど、この作品はどストレートに唐突に強烈な悪意に晒されるように作られていて、テンポ感も良いし分かりやすいし主人公も当事者としてすぐに行動するしで無駄がない。
やりたいことを優先して作られた映画を観るのは気持ちいい。
