ろく

ピンクリボンのろくのレビュー・感想・評価

ピンクリボン(2004年製作の映画)
3.0
ピンク映画に対するドキュメンタリー。まず一番驚いたのは「日活ロマンポルノ」と「ピンク映画」は違うってこと。そっか、それは知らなかった。うん、日活とは予算が違うのね。僕が生まれたころはそこらじゅうにピンク映画の看板があったけど(映画というより性欲処理だったのだと思う。実際最盛期は全映画館の三分の一がピンク映画館だったわけだし、実演も映画館で行われていた)、今はずいぶんなくなってしまった。この映画はそんなピンク映画に対するレクイエムにすら見えてしまう(だって出ている人たちの意見がどれも前向きな感じではないんだもの。閉塞感すら感じる)。ピンク映画が映画でありながら映画でないんだと僕は思った。それは出てくる監督たちも明言してないがそう言っている。一方で作家性を、でもその一方で商売を。その点で監督も煩悶しているのとも感じた。黒沢清、井筒和彦、若松孝二、高橋伴明などピンク出身から一般映画を撮ることに成功した人たちの話は楽しい。その一方でピンク映画にこだわる吉行由美や池島ゆたか、女池充の言葉もわかる。資料としてもアリな映画だが「映画」としての楽しみは薄い。
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