義民伝兵衛と蝉時雨

神々のたそがれの義民伝兵衛と蝉時雨のレビュー・感想・評価

神々のたそがれ(2013年製作の映画)
4.9
混沌と歪に蠢き犇めき合う地獄の如きディストピア・アルカナル、否、ソビエト社会、否、人間世界。

滑稽で愚かしくて暴力的で救いがなくて、何処までも美しい我々の剥き出しの性

ギリシアも
ローマも 
中国も
中世も
戦国時代も
ソ連も
第三帝国も
大日本帝国も
北朝鮮も
アメリカも
我が国日本も

右も左も
専制主義も
民主主義も
どんなイデオロギーでさえも

プーチンもゼレンスキーも
裏で操り糸を引くフィクサー達も
掌で踊らされる無知な人々も
必死に抵抗する知識人達も

支配者も
革命家も
民衆も
奴隷も

結局は、同じ穴の狢

人類の常しえの本能
それが多様に表象される混沌とした客観的世界

真の詩情は幾世紀にも渡って人々を観照へと導き実相を伝えていくことは出来ても

人間世界の本質を変えることは叶わない

芸術家の無力感
芸術のたそがれ

こういう純粋な思いが観たかった。目頭が熱くなった。