【正義VS正義】
9.11同時多発テロ。
今でも鮮明にあのビルが崩壊する映像が浮かびます。
当時のアメリカもそのテロに対して
アベンジャーズ(復讐者たち)の理念をもって武力を持ち戦争を起こしました。
その結果何が起こったのか?
報復という行動がさらなる血と犠牲者を増加させました。
殴られたから殴り返す。
片やその報復はおかしい!
武力に対して武力に訴えたら相手と同じではないか!
多くの人たちが自らの「正義」を信じ対立関係を持ち複雑に絡み合いました。
この縮図が今回のシビルウォーの中に大きく生きている形となっています。
確かに「正しい」のです。
スティーブ・ロジャースからすると。
確かに「正しい」のです。
トニー・スタークからすると。
思えば何もかも相反する二人。
片や真面目な時代遅れの堅物な童貞。
片やチャラい時代の寵児である柔軟な遊び人。
しかしシリーズを進めていくごとにお互いに変化が起こり始める。
国の忠誠を誓うことが当然と思っていたが自ら自由に行動する意志を持ち始めた男。
自由気ままに生きてきたが自ら国を守るという意志を持ち始めた男。
「キャプテン・アメリカ」「アイアンマン」
それぞれの1作目を知る人からするとこの二人の真逆ともいえる行動は意外と思えるだろう。
そしてそれをお互いに知っているからこそ苦悩はより大きな苦悩となり
切なく映しだされる。キャプテン・アメリカ、アイアンマン、ブラック・ウィドウ、ウィンター・ソルジャー、ファルコン、ウォーマシン、ホークアイ、ブラックパンサー、ヴィジョン、ワンダ、アントマン、スパイダーマンそれぞれの意志が複雑に絡み合い
もはや「正義」とは何か?という問いに対しての答えは一つではないことを眼前に見せつけられる。
一緒に観た人が「え?これアベンジャーズの3作目じゃなくてキャプテン・アメリカの3作目なの?」
って勘違いするくらいアベンジャーズだった。ハルクとソーが出てたら正直どちらかわからないほど。
それほど「正義」は複雑化しているのだ。
今作はアベンジャーズ(復讐)は本当に正しいのか?という問題提議をした上で
アベンジャーズ インフィニティ・ウォーへと繋がる形となっている。
次作に登場するヒーローの数は67人に達するという。9.11の変換を期にアメリカは大きく迷い新たな動き意識する形となっている。その背景を意識しながら観るととても深みのあるヒーローたちだけでないアメリカの苦悩が読み取れる。
516本目