“アベンジャー”って、そういう。
なるほど、正しく真打ちは、遅れてやってきたわけだ。
先ず簡潔に。
すンばらしい出来。
観りゃ解る、ほんと、痛快な作品が出てきたものだ。
ヒーローの誕生編として、文句なしの内容だった。
もちろん既に、多くのヒーロー誕生エピソードを描いてきたMCU。
それらへの色分けとして、今作では冒頭から、主人公がスーパーパワーを持っていることが挙げられるだろう。
けれども、それは“記憶”すなわち“主体性”を封じられることにより、外部から不当に制約を受け、コントロールされている。
その戒めから脱却すること、一個の人格としての尊厳を回復させることが、ヒーローとして確立していく道程と重ねられているのだ。
つまりは、女性を初めとして、社会に抑圧されてきた人々の“反撃”=“アヴェンジ”という構図が象徴されていると言えるだろう。
社会の中で、自らの潜在能力を発揮する機会を奪われている人たち。
だが、そんな状況に戦いを挑むこと。
それによって世界そのものを“変革していく”ことが出来る。
いや、そうすべきなのだ。
そんな前向きなメッセージを、ビシビシと感じる。
そうと覚悟を決めたなら、自らを縛る鎖を引きちぎるなど、容易いことだ。
クライマックス、覚醒した主人公の想いに感化され、貴方は異口同音に叫ぶだろう──
「きゃっほぉおおおおおぅ!!!」
……こういう映画が現れたとはいえ、まだ世界は成熟しきっていないようにも思う。
それを示すのが、戦争に対する言及であり、我々の現代価値観からするとジョークにしか思えない、当時の電子機器のポンコツ加減なのではないか?
ただ楽しいだけじゃない。
やっぱりヒーロー映画は、こうでなくては!!
最後に。
冒頭のアレ、ニクいことしてくれるね、マーベル。
泣いた