蛇々舞

キャプテン・マーベルの蛇々舞のレビュー・感想・評価

キャプテン・マーベル(2019年製作の映画)
4.6
“アベンジャー”って、そういう。
なるほど、正しく真打ちは、遅れてやってきたわけだ。

先ず簡潔に。

すンばらしい出来。
観りゃ解る、ほんと、痛快な作品が出てきたものだ。

ヒーローの誕生編として、文句なしの内容だった。

もちろん既に、多くのヒーロー誕生エピソードを描いてきたMCU。
それらへの色分けとして、今作では冒頭から、主人公がスーパーパワーを持っていることが挙げられるだろう。
けれども、それは“記憶”すなわち“主体性”を封じられることにより、外部から不当に制約を受け、コントロールされている。

その戒めから脱却すること、一個の人格としての尊厳を回復させることが、ヒーローとして確立していく道程と重ねられているのだ。

つまりは、女性を初めとして、社会に抑圧されてきた人々の“反撃”=“アヴェンジ”という構図が象徴されていると言えるだろう。
社会の中で、自らの潜在能力を発揮する機会を奪われている人たち。
だが、そんな状況に戦いを挑むこと。
それによって世界そのものを“変革していく”ことが出来る。
いや、そうすべきなのだ。

そんな前向きなメッセージを、ビシビシと感じる。

そうと覚悟を決めたなら、自らを縛る鎖を引きちぎるなど、容易いことだ。

クライマックス、覚醒した主人公の想いに感化され、貴方は異口同音に叫ぶだろう──

「きゃっほぉおおおおおぅ!!!」

……こういう映画が現れたとはいえ、まだ世界は成熟しきっていないようにも思う。

それを示すのが、戦争に対する言及であり、我々の現代価値観からするとジョークにしか思えない、当時の電子機器のポンコツ加減なのではないか?

ただ楽しいだけじゃない。
やっぱりヒーロー映画は、こうでなくては!!

最後に。

冒頭のアレ、ニクいことしてくれるね、マーベル。
泣いた
蛇々舞

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