mrかっちゃん

キャプテン・マーベルのmrかっちゃんのレビュー・感想・評価

キャプテン・マーベル(2019年製作の映画)
3.3
「私は今まで縛られて生きてきた、今ようやく自由になれたわ」

ブラックパンサーに続く新ヒーロー誕生譚。
MCU初の女性ヒーローキャプテンマーベル
コミックス的には長い歴史と遍歴を持つキャラクターですが、バッサリとカットし
主人公キャロルダンバースの内面へと迫り
記憶を失い謎の超人的なパワーを持った彼女が、自分自身を知り自分自身と対峙していく物語。

ストーリー的なギミックには失った自分の過去を取り戻していくサスペンス要素が、中心となっているがそこまで深いとは思わなかった。
なんとなく予想がついてしまうのでw
登場人物の軽やかな掛け合いは楽しいが、重要なシーンのあとそれを茶化すセリフがあり萎えてしまった。

だが、キャロルの女性としての力強さと頼もしさはまさしくヒーローであり、今作の何よりの魅力。
キャラクター造形の中に、確信的に導入されている18世紀のフランス革命の時に起こったフェミニズム運動の影。
21世紀の現在も女性に対する扱いや性犯罪に対する運動として「MeToo」がある。

ブラックパンサーも黒人のルーツを根底に根付かせていながらもエンタメに昇華させていた。
MCUはそこの匙加減がとても上手い。
多様性と相互理解が求められる今だからこそ響くメッセージが内包されていた。

そして来月にはMCUの10年間の歴史に区切りがつく「アベンジャーズエンドゲーム」が封切られます。
有終の美を飾って欲しいと思うと同時に物悲しくもある。
だが、物語は人生と同じように終着点が無いといけない。
どのように物語に幕が閉じられるのか、とても興味深いです。

去年マーベルコミックスのスーパーヒーローの生みの親スタンリーが亡くなられました。
この方が長年積み上げてきた事が、今こうして新しい映画の時代を作り終わりを迎えようとしている。
MCUファン、アメコミファンにとって今作のOPは特別なものであって心からのありがとうをスタンに捧げます。