千年女優

アベンジャーズ/エンドゲームの千年女優のレビュー・感想・評価

5.0
サノスに人口半減計画の実現を許し、キャプテン・マーベルの合流を経てサノスを追うも既にストーンは消滅しており各々にやり切れない想いを抱えたまま失意の時を過ごすアベンジャーズ。それでも僅かな希望の光を見出し再び集結した彼らが失った人々を取り戻す最後のアベンジ(逆襲)に挑む様を描いた足掛け11年のMCU集大成の一作です。

観る側も万感の想いでの視聴ですが期待を裏切らぬ涙あり笑いありの大円団です。重箱の隅を突つく間もなくシリーズを愛していればいるだけ響くニクい演出の数々で魅了してくれます。限られた資源を食い尽くす「数」の否定に対して色とりどりの個性で多様性を肯定して打ち勝つ物語を、これだけの娯楽性をもって描ききったのは見事です。

その根幹を成したのがアイアンマンとキャプテン・アメリカで、両者は全く異なるヒーローとしての終着を見せます。生粋のヒーローであり続けたキャプテンはプライベートな人生を全うし、後天的にヒーローとなったアイアンマンはヒーローとしての人生を全うする。決してひとつではない生き方こそ、この多様性の時代のヒーローの姿です。
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