753

プリデスティネーションの753のレビュー・感想・評価

プリデスティネーション(2014年製作の映画)
3.4
なるほど面白い展開。
起承転結でいえば、たっぷりと時間をかけて話が起き上がっていくような感じ。
しかし後に、この“起”自体が“転結”をも引き受ける“承”句であることが明らかになっていく。
といっても話はそこまで複雑ではなく、重要なのはこの世界における次元転移の仕組みを理解すること。
つまりこれは始点ができるタイプのタイムトラベル。
自分と会ってしまうとヘビーなことになるタイプのタイムトラベル(ex. バック・トゥ・ザ・フューチャー)とは異なり、いわゆる“並行世界”の概念によって、過去の出来事に変更が加えられるたび、いくつも分岐が生まれていく。だから過去(あるいは未来)の自分と会うのも全然へっちゃら。むしろ今回は自分と会えることこそが全ての始まりなわけで。そしてまた、終わりなわけで。

気になった点が2つ。
まずリボルバー。
撃鉄引いたの、最初だけですやん。
リボルバーはその性質上1発ごとに撃鉄を引いて弾倉を回転させ次の薬莢をセットする必要がありますので。
連射したいなら左手でリボルバーを上から押さえるようにして、1発ごとに手前に引き込みましょうね。それとも改造した設定なのかな?
(これはシングル・アクションの場合のことであって、誤った知識に基づくものです。)

それから、あのヴァイオリンケースのタイムマシンのシステム。
せっかくの94分なのにすでに冗長に感じさせてしまっているわけだし、ついでだから10分追加してあのシステムの構造やその副作用について説明してもよかったかも?行動も全て突然で説得力がないことと合わせ、よく出来た話なだけに残念。

殴り方のクセは良い設定。

最後まで完全な種明かしはせず、どんなタネを蒔いたのかだけ教えてくれる仕様。まあほぼ答えだけど。もう一度見たくなるかもね。まあ何回見ても分からないことは分からないんですけどね。

「まず交尾だ」

【お節介コーナー】
◉イーサンホークが気になった人
→「ビフォア・サンライズ」へ

◉タイム・トラベルをもっと観たい人
→もしまだなら「バック・トゥ・ザ・フューチャー」へ
→日本の佳作「サマータイムマシーンブルース」へ
753

753