このレビューはネタバレを含みます
これは「掘り出し物」。あらすじが斬新です。
モチーフとなったのはSF作家ハイラインの「輪廻の蛇」だとの事。
以前から「タイムマシンと恋愛は相性がいい」と語って来ましたが、本作も「恋愛モノ」に含めてしまっていいでしょう。ちなみに本作のあらすじとよく似た夢を観たことがありますので心境は複雑です。
タイトル「プリデスティネーション」の意味は「宿命」。コレ自体がすでにネタバレです。
主人公のバーテンダーを「時空警察官」と多くは記述しているが私は劇中で用いられる「航時局員」のほうが雰囲気があって好きです。
冒頭では思わせぶりな戦闘シーンがあり、期待させる「最後に謎解きはします」と語っているかのようだ。
物語はバーテンダーと、そこへの来客ジョン(ジェーン)が懸けをした上で「俺が少女だったころ。。。」と身の上を語り始める。
ここで「あれ?再生する作品を間違ったかな?」とうろたえる程物語は飛躍する。しかしこの身の上話も、彼(彼女)が「航時局員」に指名されるのもバーテンダーの最期もすべてタイムトラベルで掘り起こされた同一人物が全てを引き起こした「宿命」であった——という作品。
デティールが色々面白い。タイムマシン(航時装置)がバイオリンケースに似ており、行き先もダイヤル鍵式でアンティーク。これを抱えて飛ぶ。
ラストは予想できなくもないのだが、期待通りのいい終わり方だと思う。
ジョン(ジェーン)役のサラ・スヌークも独特の個性がいい。
作品もシリーズ物にしても良いくらいの題材な気もするが2名を軸にしたところが本作の面白さだとも思う。