いち麦

コンクリートナイトのいち麦のレビュー・感想・評価

コンクリートナイト(2013年製作の映画)
4.5
《フィンランド映画祭2014》死の予感に脅える弟。彼が縋れる唯一の存在である兄も自らの重荷を背負い家を離れる日が近づいている。シモの焦燥感、頼れぬ母に時々見せる幼児性などが切り詰めた映像表現から伝わる。鏡面を巧みに使ったカット多数。見た後で自分の中でゆっくり咀嚼したくなる。芸術性高いモノクロの秀作。

フィンランド映画祭2014に続きTNLF2016にて2回目の鑑賞。自己の内部奥底に向けられたシモの複雑な心境を兄や友、女性たちとの関係から巧みに描いたドラマに再び心ざわめく。後味の悪さ補って余りあり。(2016/2/11 @渋谷ユーロスペース)
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