クルードス

スポットライト 世紀のスクープのクルードスのレビュー・感想・評価

4.0
教会が隠蔽している児童虐待の真実を、新聞社のチームが地道な取材で暴いていく物語。

実話ベースだから派手な見せ場は無いのに、地道な取材で裏を取りながら少しずつ真実に近づいていくのがスリリングで、全く飽きずに観られた。

お仕事チームものとして見ると、とても気持ちがいい。
各メンバーがプロとしてやるべき事を地道にこなして、時には意見の違いでぶつかる。
それも全員が真剣に仕事と向き合っているからこそ。
そして最後に社会的にも大きな意味のある成果を上げる。

逆に社会問題ものとして見ると、本当に胸糞が悪い。
被害者はいるのに、教会のシステムによって覆い隠されてしまう真実。
そして、事件が起きても見て見ぬフリをする地域社会。
昔からの慣習で悪い事と分かりながらも、そのまま見過ごしてしまう事はどこでも起こり得る話なので「宗教と無縁だから関係ない」では済まされない、誰にでも関わり得る話だと思った。

そしてラスト、この記事が発表された影響で、明るみに出た事件の地域がテロップに出てくるが、その数の多さに驚く。
この映画でも描かれる被害者の苦しみを見ると、今後被害者が出ない事を願わずにはいられない。