スポットライト 世紀のスクープのhamadeeのレビュー・感想・評価

圧倒的な史実については語ることはないが、この映画の丁寧さは「加害者の多様さ」を丁寧に描き分けているところであろう。弁護士や被害者だった神父、20年前に知っていた記者、そして週3日教会に通う敬虔な祖母など、近くでみれば皆それぞれに理由や事情を抱えた善良な市民だが、確かに彼らが事件を遠くから支援した・黙殺したんだ、ということが感じられる苦味を常に伴う描写がこの作品の秀逸なところではないか。
この監督もまたこの映画で「立ち上がる」ことで被害者の側に立つ決意を示した。