高木東

スポットライト 世紀のスクープの高木東のレビュー・感想・評価

4.0
超面白かった!

いや内容は重くて深刻なんだけども、真相に迫っていく人々やそれに巻き込まれる人々が大変魅力的(に演出され絶妙に演技しているの)だし、編集のテンポやカメラワークが気持ちが良いので、何回も何回も観たくなる(実際2回観た)。
ちょっとアレなのは音楽がウェットで暗すぎる点(少し深刻過ぎて正直若干ダサいなと感じる瞬間も)。画面はドライだからちょっと合わない気がするけど、実話ベースなのでその辺バランスとったという事なのかなぁ。

しかし何が良かったって、とにかくこのチームがかなり好きになってしまって。
レイチェル・マクアダムズ(可愛い!)がケーキ食べながら職場に戻るショットで、これは面白い映画に違いないと何故か思ってしまった。
マーク・ラファロのケーキの食い方もいいんだ。上司ベンが持ってきたピザを食べるところもいいんだ。
マーク・ラファロはホントに良かった。早口で落ち着きなくてそのくせ抜け目ない奴。仕事ができるんだこいつが。
上司であるマイケル・キートンに、「あの弁護士には苦労しますよ~」とこぼしたら、「じゃもっと苦労しろ」と言われた時のマークの反応、最高。
そのマイケル・キートンも実は同じようなやり取りを少し前に自分の上司としてたっていうね(観賞2回目で気付いた)。
マイケル・キートンも苦味走ってて良かった。唇ガサガサで。
一見チームで最も地味なマット(ブライアン・ダーシー・ジョーンズ)にも、実はエモーショナルな見せ場があって。
部長のベンは地元出身で口が悪くて最高だし、全てのきっかけとなった新任編集局長バロンが文字通り締めの存在で。 低音ボイスで。最後の台詞もホントに良かった。あ、仕事頑張ろうって思わせてくれる。

弁護士側も良かった。
「メモもダメ、録音もだめ。あと、話もダメ、じゃサヨナラ」(笑)

そんな感じでこの座組みでもっと見ていたいと思ってしまう映画でした。題材が題材だけに続編やスピンアウトはムリだろうな。
高木東

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