くるぶし

スポットライト 世紀のスクープのくるぶしのレビュー・感想・評価

3.6
アカデミー賞作品賞+脚本賞W受賞作ということで見にいきました。
その他世界中の映画賞を総なめにしておりますが、正直日本人がこの作品の本質を理解するのはなかなか難しいんじゃなかろうか、というのが最初の感想。
少なくとも自分は、日常生活の中で“宗教や信仰”というものをほとんど意識したことがないので、劇中に登場する信仰心の厚い人たちの動揺や狼狽っぷりは本当のところよくわからない。でも、この作品の中枢はそこじゃないから、そんなに気にすることはないですかね。

丹念に仕事をまっとうする、それに尽きる気がしました。真相に迫れば迫る程、暴く行為は自分の信仰どころか世界中の人を絶望の淵に突き落とすことになる。けれど報道を生業にしている以上、怯んではいられないわけで。ジャーナリズムの根幹を本当に丁寧にすくいとっていて、とってもとっても地味な作品ですが奇をてらわない描き方は好感がもてます。

わかりやすいカタルシスを求めて見ると肩すかしをくらいそうですが、脚本賞受賞はダテじゃない好編です。
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