Dio

スポットライト 世紀のスクープのDioのレビュー・感想・評価

3.4
ちょっとお隣の国まで出張ということで定番の「無料で上映中の映画鑑賞@空の上」タイム!映画館でお金を払って極上の環境で誰にも邪魔されず気分よく見るのはもちろん好きだけど、空の上でビールを飲みながら本当は映画館に行かなきゃ見れない映画を見る背徳感が…たまらーん!
ただし所々アナウンスで中断されてしまうのが残念。

ということで今回お空の共に選んだのはこの映画!
ボストン紙の特ダネ班である「スポットライト」が教会という権力に挑み、その腐敗と悪行の事実を衆人のもとに曝すまでの過程を描いた本作品、実話を元にしているというのがまた驚きです。

個人的にはジャーナリズムがどう成されたかという勧善懲悪的な作品ではなく、人々は教会のことをどのような存在として考えられているか、つまり個人の「信仰」に焦点を当てて映画を進行させている点を非常に評価したい。

その理由は二つあり、まずバロンが言うように、相手はシステムであり、教会そのものであり、糾弾すべき敵は決して変態神父個人ではないからだ。故に映画上で変態神父を糾弾するシーンが敢えてないのだろう(大人の事情もあるかもしれないけど)。
この事は、この話のダークサイドを深堀り出来ていないことに繋がり、故に神父の悪行の存在感が薄まってしまっているのが残念でもある。

そしてもう一つの理由は非常に個人的だが、僕は信仰を持たないがゆえに持つ人の考えが未知であり、そして何かにすがる存在が人を羨ましく思っており、人々の信仰がなんたるかに興味を持って鑑賞出来たからだ。
このくそったれな事実を覆い隠そうとして人々が喋れば喋るほど彼らがどうして信仰して、どのように考えているのかが浮き彫りになる。
とても興味深い作品だった。

26th Apr 2016
Dio

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