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スポットライト 世紀のスクープのRのレビュー・感想・評価

5.0
激熱! すばらしい! 今年ナンバーワンが塗り替えられた!かも! ボストングローブ紙の新聞記者たちが、聖職者による幼児虐待のおびただしい数の事件を徹底的に調査し、それを記事にして社会に告発するまでのプロセスを描いた作品。全編ほとんどエモーショナルになることなく、クールに地味に淡々と、しかしテンポよくストーリーを展開させていきながら、少しずつ少しずつ観客のハートが熱く熱くなって行くように演出してあって、めちゃめちゃカッコいい。社会正義を行うことと、自分たちや会社の利益を追求することが、直接的に結びついている仕事ってほんまに魅力的やなと思ったし、それゆえに社会に対して責任もあるわけだから、根拠のない記事を載せるわけにはいかず、とことん事実を追求して絶対的な正確さを要求される。それを真剣に行っていく主人公たちが、マジでカッコよかった! それに比べて日本のクソジャーナリズム…(ー ー;) そして、おぞましい事実を明るみに出そうとする彼らを止めようとする人、事実を隠し通そうとする人、揉み消そうとする人、様々な人物が出てくるんやけど、そいつらを見てると、やはり人間は、どんなに大きな不正義の潮流が現にそこにあったとしても、絶対に正義を貫かなけらばならい、と思わされるね。人間性の輝きとは、正義の光なんだな、と。ホントに印象的なシーンやセリフが多いんやけど、個人的には、人々の信仰に対するいろんな関わり方が描かれてるのが面白かった。特に、教会は単に人間組織であるからそれを信じるのではなく、純粋にキリスト教を信じることで何とか信仰を保ってる人や、週に3回チャーチに行ってるお婆さんの話とか。やはり宗教にしろ何にしろ、盲目的に信じるってのはホントにいけない。間違ったものを信じることほど悲惨なことはない。あの婆さんなんて、どれほど自分の人生と世界観が揺るがされたことか。あの年で。おそろしいことだ。ほんで、レイプ魔聖職者たちを文字通り存続させるためのヤバすぎるシステムが作り上げられていたという、すさまじさ、とんでもなかったマジで。鬼畜すぎる。ホントにすごい映画だった。最後は深い深い感動で涙したあとに、背筋が凍りつくほどの後日譚が出てきて…今までに感じたことのないスゴい感情を味わってしもたわ。あ、あと冒頭からずっと音楽渋いなーと思ってたら、ハワードショア。天才やな。
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