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ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅のrichardのレビュー・感想・評価

4.5
新作鑑賞のため再視聴。
ファンタスティックスビーストと缶詰工場員ジェイコブの旅。
やっぱり映画館で観るのがいいよねこういうアトラクション映画は。
胸を高鳴らせてホビットを観たときの感覚と似ていたかもしれない。よくも悪くも。やっぱりロード・オブ・ザ・リング好きやなってなっちゃったし。けど、今シリーズは音楽や映像の質感、魔法界の雰囲気を懐かしませながら、ハリポタシリーズファンを喜ばせる伏線も見せつつつ、しっかりとファンタビとしての新しい旅のスタートを見せていたし、長編映画にありがちな「今からあなたがたを不思議な世界へ誘いますよ〜」っていうシリーズ1作目の役割を正しく担っていたなというのが大きな感想。やっぱり、ハリーポッターでわたしたちはじゅうぶんに驚いてしまっているから、そこを超えるのってホンマに大変で、その要素にグラフィックや技術が入っててもいいよねってか仕方ないよね、とは思う。賢者の石も、観たのってずいぶん前でわたしも子どもだったから、今は気になるところも気にならないことが多かったんじゃないかなとは思う。映画館で観るのとスマホで再試聴するのともまた、感じることも違うし。楽しめるところは脚本以上にあるんだよね。何が言いたいかというと、キャラクターに対する理解があまり得られないストーリーだったなっていう。(冷静になってレビューしようとするとどうしてもそうなるけど、でも映画館にいる間は夢みたいな気分だったし楽しかった!!!)

魔法動物はもちろん、愛しくて可愛くてよりいっそう大好きになったし、保護するニュートを応援したくなったけど、、ティナの言動に疑問が生まれたり、なんでそうなるの〜!が多かったりする。展開的に必要なのだとしても不自然さが勝っちゃうと気持ちが離れかねないのだ。しかもたぶんそれって、ハリポタと違って子どもじゃなくて大人が主人公だからよけいにイライラしちゃうんだろうな〜。
まあ会議に割って入るティナの精神(よくない意味で)すごいなって思ったけど、あとから報告しにいったら今まで24時間何してたんですかとか言い出す議長も議長すぎて。看護実習で学生いびる指導者かと思いました。
あと死刑執行する人まじで怖いよね、苦しくはありませんよやないねん。

やっぱ改めてハリーポッターの脚本の力を感じた。わたしはハリポタ原作読んでないから、小説との違いにモヤモヤすることはないんだけど、やっぱ原作ありきのところから脚本家が映画用の脚本を作る方が、登場人物をその人らしく見せるために入念に作業が行われるような気がして。原作者が脚本をやるとどうしても、この人はこういう人だから、っていうのが脚本家の中でわかってしまっているから、登場人物をその人らしく見せるのが逆に難しいんじゃないかなって思う。わかんないけど。

とはいえ今回の1作目は、ファンタスティックなビースターズ大集合!みんな見てくれよな!の回でした、それでいうととてもとても大満足だし、ハリポタよりもポジティブな雰囲気が強いからそういう意味ではライトに楽しめる映画だと思うし、ハグリッドがハリーのことをお前さんもボウトラックルみたいにちっちゃい頃があったんだ〜みたいなことを言ってたなっていうのを思い出したりもできてそういうところにも胸がキュッとなったりする(するよね?)

デミタスみたいな名前のやつがジェイコブと一緒に手つないで帰ってくるとこ好きだし、ニュートとピケットのイチャイチャも好き。
「二度と君を手放さない、腕を切り落とされたって離さないよ。ほら、笑って」ニュートがYoutuberだったら絶対に切り抜かれてるねこの一言は!
1番の好みはサンダーバードのフランク。いつかまた現れてピンチを救ってくれるといいな。

「ノーマジはみんなあなたみたい?」
「いや、おれはだれともちがう」
「ヒャハー!」
だったのに、後半ではニュート(というかクイニー)との時間が夢のようなものなのだったと再確認して、
「あなたみたいなひとどこにもいない」
「そこらにいるよ」
「いえ、あなたはたったひとりよ」
とかいう切なシーンになる、ずるい。
海外の映画観てると不意打ちのチューが蛇足に感じたり「え〜!いつの間にそことそこが?!やめてくれ〜!」ってなることが少なくはないと思うのだけど、ことジェイコブとクイニーに関しては我々は全力で応援していたのです。やっぱりロミジュリシチュには弱いのか??

声優陣が好きなのと映像に集中したいのとでこういう映画は吹替派なのだけど、グレイブスの声がつんちょから見事に平田さんに変わってわたしはそういえば映画館で身震いしたんだよな、ジョニデの外見ってグリンデルバルドのときって一瞬誰かわからんくなっちゃうねんけど、声聞いてジョニデや!ってなる感じ。担当声優ってこういうことなんだよねってことに、なんか感動したんだよ。声優オタクならではの感想なんだろうけど。
それに引けを取らない演技をしていたつんちょもさすがだった。

アマプラで再視聴したら、特典映像がついていたので観た。
魔法の世界って本当にすごい。
「観客が我々の仕事に気づくことなく映画を楽しんでくれたらうれしい」「CGだと思われないことが何よりの成功」と話していたのが印象的。それはグラフィックだけではなく、登場する魔法動物もそう。非現実的だけれど、彼らがどこかで生きていると思えるような、そういうディティールを目指したビーストでなければいけない。そして登場人物も然り。ニュートをニュートらしく見せるための演技・衣装・杖、、、映画を作る上で当たり前のことなのかもしれないけれど、魔法ワールドにおいては惜しみなく最大限にその力が発揮されており、いたく感動するのであった。
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