kkkのk太郎

ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅のkkkのk太郎のネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

魔法ファンタジー映画『ハリー・ポッター』シリーズと地続きの世界を描く「魔法ワールド」シリーズの第9作にして、魔法生物学者ニュート・スキャマンダーの活躍を描く『ファンタスティック・ビースト』シリーズの第1作。

舞台は1926年のニューヨーク。
とある目的のためイギリスからやって来た魔法生物学者ニュートは、不注意からトランクの中の魔法生物を逃してしまう。
同じ頃、ニューヨークでは何者かによって街が破壊されるという事件が発生していた…。

原作はJ・K・ローリング。今作ではさらに、原作者自らが脚本も担当している。

主人公ニュート・スキャマンダーを演じるのは『レ・ミゼラブル』『博士と彼女のセオリー』の、オスカー俳優エディ・レッドメイン。
アメリカ合衆国魔法議会(MACUSA)に勤務する魔女、ポーペンティナ・ゴールドスタインを演じるのは『トランス・ワールド』『スティーブ・ジョブズ』のキャサリン・ウォーターストーン。
魔法保安局局長パーシバル・グレイブスを演じるのは『マイノリティ・リポート』『トータル・リコール』の、名優コリン・ファレル。
新セーレム救世軍を率いる女性メアリー・ルー・ベアボーンの養子、クリーデンス・ベアボーンを演じるのは『ウォールフラワー』『バットマンvs スーパーマン ジャスティスの誕生』のエズラ・ミラー。
ポーペンティナの妹、クイニー・ゴールドスタインを演じるのは、シンガーソングライターとしても活動しているアリソン・スドル。
闇の魔法使いゲラート・グリンデルバルドを演じるのは『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズや『チャーリーとチョコレート工場』の、レジェンド俳優ジョニー・デップ。

第89回 アカデミー賞において、衣装デザイン賞を受賞!

『ハリポ』は完結した…。
しかし、金の卵を産むガチョウを放っておくなんて事をワーナーがする訳がない。という訳で、5年間の充電期間を経て、めでたく新シリーズ始動〜🎉

時代設定を大きく変え、それに伴い主人公も交代。ジャンルも少年少女をメインにおいた学園ものから成人魔法使いによるアドベンチャーものへと変更されているし、舞台となる国もイギリスからアメリカへとチェンジ。
とにかく、前シリーズとは趣を大きく変えたこの新シリーズだが、原作者自らが製作/脚本を手掛けているだけあって、核となるテイストは『ハリポ』となんら変わっていない。そのため、前シリーズファンでもすんなりとこの作品に入り込める事だろう。

原作小説の映像化だった『ハリポ』とは違い、『ファンタビ』には土台となる原作はない。
そのため、映像化作品にありがちな説明不足や駆け足すぎるストーリーテリングといった問題が本作では起こっていない。
『不死鳥の騎士団』以降の『ハリポ』にみられる、初心者置いてけぼりな専門用語の嵐も本作では見られず、全く『ハリポ』シリーズを観たことがないという観客でもすんなりと理解できる、間口の広い作品に仕上がっているように思う。

前シリーズは魔法界が物語の主な舞台だったが、今回舞台となるのは人間界。
人間界を魔法使いたちがめちゃくちゃにする、というなんともはた迷惑な物語ではあるのだが、これは前シリーズと上手く差別化出来ている。
人間界の慣習になれない魔法使いたちが、非人間族とも交流を持ちながら事件を解決していく、という流れは『ハリポ』には見られなかった新しい切り口。
『ゴーストバスターズ』や『メン・イン・ブラック』など、往年のハリウッド映画を思い出させてくれるドタバタ感は大変好ましい。今後のシリーズ作品もこのままの流れで描き続けていって欲しい。

ポケモンのような魔法生物たちの見た目は可愛らしいし、全体のドタバタ感は好みなのだが、脚本的には気になる点が多い。
逃げ出した動物たちを捕獲して回る、というのが今回の物語の主な目的だった訳だが、これ結局ニュートが自分の犯したミスを必死になって挽回しているというだけ。
あんなヤバいトランクを持ち歩いているんだから、もう少し気をつけろよ…😅
ヤバい生物が人間界を彷徨いているから、専門家であるニュートがその捕獲のために呼ばれた、とかそういう設定であれば気持ちも乗ったのだが、自分で自分の尻を拭うだけの物語では今一つテンションも上がらない。

あと、今回の登場人物たちはみんながみんな人の話を聞かなすぎ!!
コミュニケーション不足が事態を大きくしている場面がありすぎて、なんか結構イライラしてしまった。
特にMACUSA議長のピッカリーさん。このオバさんが割とどうしようもない。
「なぜすぐに報告しなかったのですか!!」って、お前が話を聞かなかったんだろうがー、えーコラ!!😡

街に逃げ出した魔法動物を捕まえるというメインストーリーの明るさと、抑圧され虐待を受ける子供の力が暴走してしまうという終盤の展開の暗さはなんか噛み合っていないような気もする。
今回は『賢者の石』のような明るい物語かと思っていたので、予想以上にダークな方向へと進んでいったのには驚いた。シリーズ1作目なんだし、もう少し肩の力を抜いた単純なファミリームービーで良かったんじゃない?

時代や街並み、マジック・クリーチャーの造詣は魅力的だったが、ストーリーはいまひとつという感想。
とはいえ、ダンブルドアやレストレンジ家など、聞き馴染みのある人物名がちらほらと登場しており、今後の展開に期待も募る。
『ハリポ』では終盤に出て来たけどさっぱり意味わからん人物だったグリンデルバルドが、このシリーズではメイン・ヴィランとなるのかな?
この「魔法ワールド」がどのような拡がりを見せるのか、オラワクワクすっぞ!😆
kkkのk太郎

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