垂直落下式サミング

名探偵コナン 業火の向日葵の垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

3.0
「ひまわり!三億で買うえ!」
ニューヨークで開かれたオークションで、鈴木次郎吉は焼失したといわれているゴッホの名画「ひまわり」を落札する。強固な護衛を配備し日本へ空輸するが、怪盗キッドによって絵画は盗まれてしまう。静野孔文監督と脚本の櫻井武晴が再び集結。シリーズ初となるアートミステリーの行方は…。
金持ちたちが一堂に会したニューヨークのオークションがやな感じだけど、園子が出てくるとなんだか途端に俗っぽくなっていい。おじいちゃんの横でお清まし顔してても溢れ出る庶民感。でも、園子のおじいちゃまはめっちゃ金持ち。鈴木ジロキチって言うんだ。変なお名前ですな。
このオークションは、鈴木財閥の家長が出張ってくるほどの大勝負。以前日本で焼失したといわれているゴッホの傑作「ひまわり」を落札して、世界に現存するすべてのひまわりをそろえ、日本で展覧会を開くのが目的だと言う。日本にあったのがもし焼けてなかったら、もし日本でまた焼けたら、しかも全部いっぺんに消し炭になったら…、絵画ファンにとってのおもしろネタを盛り込んでいる。また、ひまわりが燃えそう。どころか、この世から失われそうでひやひや。
怪盗キッドってこういうやつだったっけ?明かされる犯人の動機も浅い。七人のサムライはあんま役に立たないけど、蘭ねえちゃんの戦闘力が際立つ。
コナンファンにとってもキャラクターの内面や行動に整合性がないような気がするし、単純なミステリーとしてみても穴が目立つ。他の劇場版コナンの平均的な水準と比べると、上映時間ちょい長めなのに満足度は低い。出来よくない。ムカつくえ。