悪魔の毒々クチビル

マッハ!無限大の悪魔の毒々クチビルのレビュー・感想・評価

マッハ!無限大(2013年製作の映画)
4.0
「最強の武器は人間の身体だ」


弟同然の存在だった象を拉致されたトニー・ジャーが怒りのムエタイパワーを炸裂させるお話。

「トリプル・スレット」以来のトニジャ作品。
開始数分で「あ、そう言えばこれ続編映画だったな……」と思い出すも、もう観始めちゃったしいいやって事でこちらから観ました。
邦題のせいでシリーズのナンバリングが非常にややこしいですね。

そして普通にこれから観ても特に問題なく楽しめました。
トニジャのキレキレなアクションは大変素晴らしく見応えがありましたね。あのムエタイならではの肘と膝の半端ない突進力がむっちゃ格好良かったです。
シラットもそうなんだけど、肘を高速で使いこなす武術って何か見た目も含め良いですよね。

中盤辺りのバイカー集団とのバトルはちょいと長くてダレ気味ではありましたが、倒しても次々に襲ってくるバイカー達にこちらも「いや多いなこいつら、どんだけいんの?」とか気になって来たんだけど最終的には思っていたよりも8倍くらいの数になっていて笑いました。

思いの外頻繁に大振りなワイヤーアクションやアサイラムクオリティのCGが導入されていて、そこはこういう作風には求めていない要素で残念でしたが、基本的には俳優陣の身体能力の高さで成り立つシーンがメインだったのでまぁ今回はよしとしましょうか。
トニジャが自分で足を燃やしながら戦う所とか、最終的には敵も含め皆足燃やしながら暫く戦っていたけどきっと自分の闘志の方が熱かったお陰で全然気にならなかったんだろうな。

特に敵はボスもそうなんだけど、マリース・クランプ演じるNo.2が滅茶苦茶強くてびっくり。
トニジャに勝るとも劣らない手数足数で攻めて来ていて、この二人のバトルは素晴らしかったですね。途中で二人して全身ライトセーバーみたいな状態になっていたけど。
その後満を持して闘うRZAも強かったけど、バトルするのが遅すぎた気も。
あとジージャー・ヤーニンも頑張っていました。No.2含め格上との闘いメインなので、圧されがちではありましたが、不屈の復讐心で肘打ちや蹴りを叩き込んでいて良かったです。
針ももうちょい上手く使えていたら尚良かったかな。

あ、ストーリーに関しては特に言うことないです。
アメコミ映画だったら別に良いんだけどこう言う映画だと、今作みたいにモブ敵も意外と強いっていう造りの方が主役のアクションや強さも際立って好きだなと改めて思いました。

余談ですが「そう言えばジージャー・ヤーニンって最近活動してんのかな」と気になって取り敢えず日本のWikipediaを覗いてみたんだけど、本名とか好きな俳優とか色々掲載されている中で、好きな言葉だけがまんまタイ語で表記されていて全く読めなかったのが地味に面白かったです。