JKローリング、風呂敷広げ過ぎ、脚本盛り込み過ぎ!
あれだけの世界をたった一人で創造する人だから、描きたいことが山ほどあるのは伝わってくるけど、それが映像では全部サクサク進んでしまうのですごく残念。映像でサクサク進めなきゃならないから説明台詞も多くて残念。
とりあえず、あなたの頭の中をまずは1,000ページくらいの本で読ませてくれないか。JKローリングのやりたいことを最初から130分ちょっとの脚本にして映画にするなんて、到底無理だと思う。
ハリーポッターシリーズより、ファンタスティック・ビーストシリーズがとてつもなくダークでとてつもなくエゲつないのは、登場人物たちが、それぞれ抱える傷の痛みに耐えられずに叫びながら闇に堕ちていくからだ。社会から排除される者や愛されない者、自由を手にできない者や自分自身を肯定できない者……。痛みを抱く者が「悪」につけこまれて闇に飲み込まれていく。となりにある現実すぎてつらい。
ファンタスティック・ビーストシリーズでの善悪の概念はシームレスだ。
だけどJKローリングの描く「悪」はいつもたった一つだ。誰かの心の隙間に入り込み、誰かの哀しみや怒りややるせなさを利用する者が「悪」だ。