OBL1VIATE

ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密のOBL1VIATEのレビュー・感想・評価

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今回完結で良かったでしょこれ。あと2作どうやって引き延ばすの?
ニュートの活躍も少なく魔法動物も1作目で出し過ぎた結果、弾切れ感が否めない。ストーリーも伏線をほぼ全て回収しておきながら(恐らくは筋書きの決まっていないであろう)あと2作のために半端に間伸びしてしまい、かといってその分サブキャラ達の掘り下げや1-2作目を超える視覚的な見せ場があるかと思えばそれもない。クイニーにわざわざ闇陣営へ行かせたのならもっと彼女の心の闇を描いて欲しいのに変わらず終始正直な善人だし、ユスフに至っては最早存在意義が不明。儀式の場に中国ではなくチベットを選んだのはチンケな人権意識からなんだろうけど、それなら今作の麒麟や前作の河童や鬼も、ちゃんとその地域での表象への敬意を払った形で描いて頂きたい。麒麟はそもそも草花を傷つけないように地面を踏まずに走るんだよ。あの造形じゃ髭の生えた鹿じゃないか…
ミッツのビジュアルと訛りは原作を読んでいた頃に思い描いていたグリンデルバルド像に極めて近くてとても良かったし、若きダンブルドア役がすっかり板についたジュード・ロウとの相性も良かった。ところどころ顔や行動に滲み出てしまう良心の呵責やダンブルドアへの未練といった人間味も個人的にはしっくり来たものの、迷いなく人を殺し操っていたジョニデの時とキャラがブレるのは頂けなかった。
シリーズが進むにつれ衣装の重厚感が増していくのが面白い。ダンブルドアを始めとして、ファンタビではマグルの当世風のファッションを着こなしているイギリス魔法界の面々が、ハリーが入学した頃には同時代のマグルとは異なる独自のドレスコードを持ち、ローブを日常的に着用するようになっていることへの説明は今のところないので次回以降に期待。
なお今回で本格的に登場したヒックス教授、普段の人を食った態度やウィットに富むやり取りからの危機的状況におけるスマートな魔法の使い方がかなり魅力的なキャラクターだったのでこれからも是非活躍して欲しい!
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