ぐる

ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密のぐるのレビュー・感想・評価

4.0
英語非ネイティヴ白人男性俳優として本当に苦労してきたマッツ、大役でしかも3作目からの代役、本当にお見事でした。ジュードとの演技が素晴らしくて情感の表現が異次元だった。

「ニュート・スキャマンダーの魔法動物すごいぜ」 すまんが今はちょっと集中できない…とつい思うくらい。ニュート・スキャマンダー主人公なんだけど、ダンブルドアとグリンデルバルドがすさまじい回だったので…

映像美も相変わらず最高だしストーリーラインも面白いんだけど、ポリコレと多様性重視スタンスがオリエンタリズム・エキゾシズムと出会ってちょっと変なことが地味に起こっている気がして勝手にソワソワ。




ーーーー以下ややネタバレーーーー

麒麟を組み込んだり、ダンブルドアとグリンデルバルドの関係性をぼかすことで、制作陣は市場としての中華人民共和国に配慮したつもりだろうけど、それで中国共産党は納得するかな?と疑問に思うんですよね。制作陣の読みが甘い気がする。

西側が妥協すれば中国共産党も手打ちをしてくれる時代は終わりつつある。ポリコレや多様性を強調する本作が、皮肉にもそれゆえに(市場の多様性を選んだがゆえに)今の中国共産党の思惑通りの放映方針をとることになったのは危機だと感じます。

何より「麒麟に細工をして跪かせることで統治の正統性を簒奪してしまう独裁者」という筋書きそのものが、権威主義体制との関係の生々しさを逆説的に描き出しているように感じます。


まあとりあえずSHERLOCK(スキャマンダー兄弟と友人たち)・ハンニバル(言うまでもない)から「麒麟がくる」(麒麟はくるけど平和が同時に来るとは限らないんだよな、知ってる)・呪術(因縁付きの2人の魔法使いとtheir boys )そして金カム(危険なカリスマと偽スーツケース)まで履修しておいてよかったよ本当に
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