えるどら

ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密のえるどらのレビュー・感想・評価

3.0
ダンブルドアとグリンデルバルドの過去に迫る第3弾。
いよいよ代理戦争が終わり、物語は盛り上がっていく。

本作はかなり政治的というか、魔法世界全体の話が多かった。
ダンブルドアとグリンデルバルドは直接的な戦闘が行えないため、両者は自身の代理人を立てて思惑を進める。

1作目の「魔法生物に対するワクワク感」や2作目の「徐々に明らかになる意外な真実」などはちょっと薄かったように感じる。
というのも、今作はほぼすべてのキャラが「言われたことをやってるだけ」に過ぎないからだ。
唯一バンティだけが特別なメッセージを受け取っているが、視聴者はそれを知らないため、「後出しでなんとでもできるジョーカー」みたいに見えてしまう。
加えてダンブルドアへの信頼が高すぎる(ハリポタシリーズやファンタビ過去作の業績から)せいで、意味不明な作戦でも「ゆくゆくは成功に繋がる伏線」に見えてしまう。
そうした要素から本作はどうにも「出来レース感」が拭えず、1作目、2作目よりも楽しめなかったように思う。

とはいえ本作はファンタビシリーズ全体の中でも重要な作品であるだろうということは自明だ。(シリーズものはだいたい3作目が最も重要であるというのを抜きにしても)
ダンブルドアとグリンデルバルドが直接相まみえるためには契約の破棄が必要だったし、クリーデンスが解放されることでダンブルドア側は大いに有利になるからだ。
ハリポタほど主人公陣営が不利に働くことが無さそうなのはちょっと残念だけど…。
次回からいよいよダンブルドアとグリンデルバルドが戦っていくのだろうか。
ニュートがお使い役ばかりにならないといいんだけど。

今作から大幅な変更点といえばグリンデルバルドにマッツ・ミケルセンが起用されたこと。
開始数分の喫茶店のシーンからもう眉目秀麗・容姿端麗・溢れるカリスマと色気!
「こ、このグリンデルバルド、深いッ…!
瞳の奥にどす黒い何かを抱えながらも信念のために強くあろうとする深みのあるキャラクターだッ…!
この気高さはちょっとやそっとじゃ揺るがない何か強い”覚悟”の上に成り立つ強さだッ…!
ヴォルデモート卿のような自分勝手で我儘な『純粋悪』なんかじゃあないッ!
言うなればもう一つの正義!ダンブルドアと交わした約束と自信の崇高な目的を必ずや遂行してみせるという『もう一つの正義としての悪』だッ!」
って感じだった。
ジョニー・デップのグリンデルバルドも昔やんちゃしてた悪ガキで今は独特なカリスマを醸す色男で良かったのだが、ダンブルドアと拮抗する本作のラスボスとなれば個人的にはマッツの方が好み。
ダンブルドアの分厚くてざらっとした手触りの布の服、顎髭、大きく見える衣装に対し、グリンデルバルドはフォーマルなスーツ、整えられた髪と綺麗な顔面、綺麗めで細身のシルエットで見た目から対比させられているのも良かった。立ち居振る舞いや言葉遣いなんかもね。

ニュートよりもこの2人がメインみたいになってきたけど、次回作はどうなるのか…。
ウィザーディングワールド大好きなので今から待ちきれない。
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