MasahideYoshida

ヘイル、シーザー!のMasahideYoshidaのレビュー・感想・評価

ヘイル、シーザー!(2016年製作の映画)
2.7
2016年公開
監督:ジョエル・コーエン&イーサン・コーエン
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社運を賭けた大作の制作中に主演俳優が何者かに誘拐され、問題解決に奔走する映画会社の人々を描いたお話。

トラブルシューターってどの組織にもいて、それはやっぱり必要だからなんであって、それがおおごとになればなるほど、そういう役回りって大事なんだよなあ。この作品の主人公はそんな役回りのなかなかかわいそうな人。それ以外の登場人物はほとんど自分勝手に描かれていて、自分はたった数本の喫煙を懺悔しにいく神経衰弱状態。気の毒な人でござる。

やれ共産主義がどうとか、隠し子工作がどうとか、いろいろ回りにやんややんやと設定があるんですが、それはもう要するに、「ややこしいなあいろいろ」っていうことを言いたいだけの設定にも思います。そう、ややこしいんですよ、おおきなことやるって。で、そのややこしさからの逃避としてのオプションまで途中で提示されてさ。でも最後にちゃんと帰ってくる。

報われない人の話なんだけど、こういう役回りの人って、そういうことが自分にしかできない役目だって言外にわかっていることが多くて、悩むんだけど結局そこに使命感や達成感を抱いてるんだなあという、なかなか深い一本。

2016年11月24日