このレビューはネタバレを含みます
あんまり響くものはなかったかなあ。メインキャラと言える、声が出せない少女・順に共感できなかったのがでかい。
喋れないというわりには、そこそこ話すし、普段おどおどしているわりに、図太い。矛盾。というか、"話せない呪い"という折角の設定を、殺してしまっている。
そして、おそらく感動シーンなのであろう、ラブホテル跡地で拓実に本音を叫ぶ順。これはただ暴言を吐く嫌な女にしか見えず、見るに耐えない。
そもそもこのミュージカルは、順が自分の気持ちを声に乗せるために始めたのであり、それにクラスメイトが巻き込まれた形。それなのに、本番当日「できない」って、それはないだろ。
身勝手な少女に、精神年齢高めのできた少年が手を差し伸べるだけの作品。
ただ、ヒーローとヒロインをくっつけるという安直な結末にならなかったことは、良かったと思う。