カルダモン

ゆらゆら帝国 2009.04.26 LIVE @日比谷野外大音楽堂のカルダモンのレビュー・感想・評価

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90〜00年代、私の中では日本語ロックの最高峰。言葉の選び方、音の並べ方、奇妙な風貌の生き物3匹。作品がリリースされるたびに次はどんなことを仕掛けてくるのか、いくら想像してもそれをスルリと抜けていく音楽像にいつも心が踊っていた。そしてなによりもライブバンドとしては唯一無二で圧倒的だった。怖くて、可笑しくて、可愛くて、悲しくて。2010年にバンドが解散して以降、このような楽しみやトキメキはほとんど失われてしまったような気がして寂しい。

この映像作品では、かつてあった帝国の姿、その最終段階にあたる結成20周年記念のライブの模様が残されています。
この時点では解散なんて想像もしてないわけだけど、坂本慎太郎が解散理由として〈完成してしまった〉と語るように、今にして思えばひとつの時代を巡り、抜けた感覚は音の作り方やライブアレンジに現れていたように思うし、ラストアルバムにして最高傑作『空洞です。』の先に、何かを創出するなんてどう考えたってムリだよね、という結論はものすごく納得できる。

バンドのスタイルとして20周年だとか映像作品だとか、そういったものにはおそらくまったく頓着はないのだろうし、この映像でバンドの魅力が十二分に捉えられているとは言えないまでも、当時の記録としては大事です。時折、監督の趣味が発動したようなカメラワークが顔を覗かせて、ちょいとウザいノリノリ加減が見られるのも一興。
ただしフルサイズの収録とはならず、残念ながら『昆虫ロック』『発光体』などの数曲がカットされております。個人的にはオープニングの『星ふたつ』と対になるような『星になれた』がカットされていて残念至極。

しかしこんなものまでFilmarksにラインナップされてるって、すごいですね。大根仁が絡んでるからかな。



https://ameblo.jp/3faces6arms/entry-12539625611.html?frm=theme
10年前に書いたライブ当日の感想文を。あれから10年経ってるって本当に?