イチロヲ

箱の中の女 処女いけにえのイチロヲのレビュー・感想・評価

箱の中の女 処女いけにえ(1985年製作の映画)
4.0
究極の性倒錯を追求しているカップル(蔡令子&田村寛)が、街中で見つけた幼気な女性(木築沙絵子)を拉致監禁してしまう。1984年にカリフォルニアで起こった事件を元ネタにしている、日活ロマンポルノ。末期のロマンXシリーズ。後の大物・中田秀夫が助監督を務めている。

主人公カップルは、スモークガラスのハイエースを至るところに駐車させて、通行人に覗かれながら、激しいセックスに勤しむ。ゲリラ撮影とシンクロ録音のため、演者がその場で芝居していることが分かる(ハードコア同然の行為を本当にやっているらしい)。

被虐待者を演じる木築沙絵子は、アダルトビデオ黎明期に活躍した初期AV女優。汚物だらけの下水道を全裸で走り回ったり、マジックミラー号の中で緊縛されたり、小さな箱の中に閉じ込められたりなど、体当たり演技で鑑賞者の度肝を抜いてくる。

ドラマ自体は「調教もの」の典型だが、木築沙絵子というニューウェーブ系ポルノ女優のポテンシャルを感受することが可能。映画としての完成度云々ではなく、「すげー女優をみた!」という衝動を楽しむための作品。
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