雄八e

箱の中の女 処女いけにえの雄八eのレビュー・感想・評価

箱の中の女 処女いけにえ(1985年製作の映画)
4.0
‪これはまさかの傑作‬
‪実際の事件をヒントにポルノを作るという不謹慎にも程がある作品だが、セカンドレイプという言葉もない時代に作中でその不謹慎な部分を描いてくるとは思わなかった‬
‪予想外のところですごい映画を見つけてしまった気分‬

‪中盤までは当時台頭してきたアドルトビデオの文法で冗長なセックスシーンが続くのだが、中盤以降、それを見ているこちら側を俯瞰させるような展開になり、更に実在の事件を娯楽として楽しむ世俗の醜悪さを描いている‬
‪本作があの女子高生コンクリート事件の数年前というのが恐ろしい‬

‪公開年、豊田商事会長刺殺事件があり、翌年にはアイドル自殺の遺体が週刊誌に載るなど、当時のモラルは劣悪そのもので、作中何度も流れる当時の大ヒット曲「セーラー服を脱がさないで」がその醜悪さを象徴しており、意図的かつ効果的に使われている‬

‪80年代の狂った日本を描いた隠れた傑作といえる‬
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