青豆

WEEKEND ウィークエンドの青豆のレビュー・感想・評価

WEEKEND ウィークエンド(2011年製作の映画)
5.0
OMG(初使用スラング)…
summer of 85に求めるも得ることが出来なかったものを、たまたま次に観たこの作品が100%完璧に与えてくれた…

リサイクルショップで買ったロードバイクやレトロなマグを大切に使い、インスタントコーヒーでもソーサー付きのカップで美味しく飲み、出会った男たちについてのちょっとしたポエムを書き溜め、大切な時にとっておきのスニーカーを履く、恥ずかしそうな笑顔が素敵なラッセル。
物静かで日常を慈しむように生きるその姿からは"足るを知る者は富む"という言葉を思い出す。
同じような印象を抱く人物に、きみの鳥はうたえるの静雄や、ゴッズオウンカントリーのゲオルゲ(風貌も似てるな…)などが居て、わたしはこのタイプの人々に人としての憧れを抱いている。
グレンはユーモアたっぷりで、何度もラッセルとわたしをクスリとさせてくれた。"穴という穴を…"とかラッセルの孤児ネタに欲情しちゃうとか、兎に角わたしの笑いのツボをついてくるのは彼もまた皮肉屋だからだろうか。そんな飄々とした彼が、最後に駅で見せた弱い姿は胸を打つ。

短い期間の出来事を描いていることや、大きな事件が起きず二人の間で交わされる会話や繊細な気持ちの動きが中心となりストーリーが進むこと(考えてみればbefore〜シリーズもそうだ)、一緒に過ごしているかのように親密な気持ちにさせられる撮影の仕方も、気持ちの交換が感じられるセックスの描写も、どストライクです。
ここまで書いて気づいたけど、自分はこの作品を"セクシャルマイノリティ映画"という枠組みではなく、シンプルに"恋愛映画"として観ていたようだ。
ああ、、こうして自分の心を震わせてくれるような作品と出会う機会がまだまだある事を考えると、それだけで生きていけるというものです。最高!
青豆

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