ヒロ

ピエロがお前を嘲笑うのヒロのレビュー・感想・評価

ピエロがお前を嘲笑う(2014年製作の映画)
3.5
前半よくわからなかったんですが、後半の流れが変わってから面白かったです。
最後まで引っかかってて一番のよく分からなかったのが、MRX、FRIENDS、連邦情報局とのつながりがちょっとよく分かりませんでした。(とりまもっかい見てみます。)
あと主人公達が、ハッカー集団を立ち上げて何したいの?世間をお騒がせしたいの?って動機がよく分かりませんでした。ヒーローになりたいとか度々出ますが、なんか動機として弱い。多分フィンチャー監督のファイト・クラブオマージュなとこもあると思うので、(ベンヤミンの部屋にファイト・クラブのポスターがあったので)マックスの立ち位置がタイラー・ダーデンなんだろうなぁ、と思いますので(新たな世界の導き手)、怒りや鬱屈を押し込めるな、本来のなりたい自分になれ自己を開放しろとか、そういう意図が最初のハッキング活動にあるんだと思うんですが、ファイト・クラブが、前半もタイラーが、明らかに自己開放を『僕』に促していたし、後半地下格闘クラブじゃなく反社会的なテロ行為を始めた時も、上流階級・支配者階級に中指立てたる!みたいな感じに目的も劇中で明確に述べてたので、動機(の移り変わり)が視聴者にも分かりやすいんですが、こちらは主人公のハッカーチームCLAYの初っ端の活動動機・目的が弱すぎてあまり響かんです(よく分からんでよいのかな…小物、若者のお遊びみたいな扱いを劇中でも言われてたから…自己顕示欲のこじらせ若造ハッカーって扱いだったし…)

正直そこが話に感情移入をし辛くしているかなぁ…と。
ハラハラ感で視聴を最後まで続けますが、あんまり主人公チーム、主人公自体に共感が出来ないし、主人公に最後はこうなって欲しいな、みたいな期待して見続けるラストイメージがし辛いのが原因では無いでしょうか。
とにかく、主人公に感情移入と視聴者の共感を前半でしっかり印象付ける必要があるなぁ、と感じました。
それに成功してたら、後半の追い詰められっぷりにも感情移入出来て『なんとか助かってくれー!』みたいになったかもしれない。
この作品は『どうなっちゃうのー!?』って気持ちで最後まで見たに過ぎなくて、それでも良いとは思うけど、やはり『なんとか助かってくれー!』の方が、登場人物に対する視聴者の“肩入れ度合い”が高い訳で、人の心を掴む効果としては、なんとか助かってくれー!の方が高いのではないでしょうか、やはり…。
なんかハッキングの対象も『どこを狙う?』『弱い奴らから搾取してる奴らだ』とか、具体的に彼らなりの『正義』が見れるやり取りがあると、なるほどなぁ、となったのかも…。
ターゲットを選ぶ基準を述べるシーンを入れてくれたら親切だったなぁ、と思いました。映像でボンボン流しても、それがドイツ社会でどういう立ち位置なのか、他国の人は分からないですし…。
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