リーアム兄さん

ピエロがお前を嘲笑うのリーアム兄さんのレビュー・感想・評価

ピエロがお前を嘲笑う(2014年製作の映画)
4.5
【好きなセリフ】
ベンヤミン「イメージにとらわれすぎて真実が見えなくなる時がある。見たいものしか見ない。」

母親を亡くし、祖母の元で育てられたベンヤミン(トム・シリング)。日常生活ではまるで透明人間のように誰にも相手にされず、目立たずに生きていた。しかしハッキングの腕は抜群で大学の試験問題を盗んだり、町中を停電させることができた。ベンヤミンは試験問題の盗難で社会奉仕活動をしていた際にハッカーのマックス(エリアス・ムバレク)と出会い、シュテファン(ヴォータン・ヴィルケ・メーリング)、パウル(アントニオ・モノー・Jr.)とともに“CLAY(Clowns Laughed at You)”というハッカーグループを作り、ドイツ国内の企業や団体をハッキングする。そして彼らはハッキング界のトップに立つべく、トップにいる“MRX”というハッカーに挑む。

ドイツが産んだどんでん返しの最高傑作。
すべてを鵜呑みにして見ると全部騙される演出になっている。
オープニングから終始エンディングにつながる伏線となるものがあり、一度見た後にもう一度見たくなるような内容になっている。

映画の序盤である程度ベンヤミンの人となりやCLAYの活動について定義づけされるものの、終盤でそれがひっくり返り、またエンディング直前でひっくり返るという、バラン・ボー・オダー監督の手のひらで踊らされているような感覚になる。

「ハッキング」というなかなかイメージのしづらい世界をテーマにした映画だが、ネットワーク内の世界を地下鉄のような仮想空間で表現し、ハッカー一人一人をアバター化。またハッカーが行うハッキングをプレゼントなどで描いており、内容もしっかりとわかりやすく入ってくる。

どんでん返し好きにはたまらん映画だと思う。
また、角砂糖の数や車外に立つ人影など伏線を誰かと一緒に見ながら探したいなぁ、とも思った。