ぱりぱり

ナショナル・ギャラリー 英国の至宝のぱりぱりのレビュー・感想・評価

4.0
ナレーション一切なしの地味で長いドキュメンタリーなのに、なぜこんなに面白いんだろう!?

美術館という空間は好きだけど、絵はよく分からないという私には学芸員たちの説明がとても面白くて、ああいう解説を聞きに美術館へいきたいと思った
美術史学的に「フローレンス派で...」という説明の仕方もあれば、それぞれの学芸員が感じたことを言葉にするのに苦労して時に吃りながらも伝えたいという気持ちが前面に出て説明していたのがとてもよかった

カラヴァッジョの「トカゲに噛まれた少年」はこのドキュメンタリー内で2回出てくるけど、語られ方が全く違って、絵には無限の感じ方、語り方があるんだと実感

一回目は小学生向けに学芸員の人が紹介する時で、「この美術館にはいろいろな表情がある」という文脈で「トカゲに噛まれて驚いた表情をしている絵」というふうに紹介されていた
二回目は大人たちに対して修復専門(と思われる)人の説明。カラヴァッジョの下塗りについて。カラヴァッジョの私生活については悪い噂が絶えないけれど、下塗りの技術や素材の使い方は一流だった、という紹介のされ方


Every poem is a crude translation of something else. A poem never reaches what we wanted to. We are always, in a way, hampered by language. … In a way, all of my poems are efforts to translate something else. We never quite do, but the meaning is in the gap.