信濃の肉うどん男

ナショナル・ギャラリー 英国の至宝の信濃の肉うどん男のレビュー・感想・評価

-
年末年始NEW実家の土地で美術本を見たい欲に駆られてでかい本屋を巡るも、気づいたら映画本や映画雑誌のバックナンバーを手に取っており本来の目的を果たせず。その欲求不満を解消するために鑑賞。
素晴らしい絵達だけでなく、こんなにおもしろい話を聞けて体験できる場所毎週通いたい。癖に刺さる話が幾つも。へぇの数々。美術に詳しくない我は、「誰の首⁈」…なんて様だが。スパイの話。修復の歴史。15分で消え去る決断の繰り返し。X線のパートなんて驚きとおもしろさが過ぎる。
絵も映画も、時間の経過で観た時の感想が変わる。だから我も好きな作品を時を経て何度も観る。
額縁の偶発的誕生話。絵の中に描かれた一枚の楽譜がどんな曲かを音楽家やその道のプロ達が絵の人達と話し合う空間。「他人の価値観にあえて背を向ける人々がターゲットの絵」『パンの勝利』ストライク。彼の美しさが現実かどうか肌にタッチして確かめているんだと鬼感性のおじ様。
美術史家が話すフェルメールの話がたまらない。「離れると写実、近づくと抽象」に変わる仕組みを持つ絵を描けるなんて神の領域。おそらく何十年も色々な見解を述べてきた彼女の様な美術史家達ですら、絶えず不明点が生まれる巨匠達の絵は、それが巨匠達の意図的なものと確信しているとの発言に鳥肌立つほど嬉しくなった。後ろに描かれた絵可愛い。ランチで食べたものによっても見え方が変わってくる。なんて素敵な表現や。
至福な時間を分割鑑賞(1/14〜)。