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ここに泉ありのNOBUのレビュー・感想・評価

ここに泉あり(1955年製作の映画)
3.5
戦後まもない中、後の群響と呼ばれる高崎の市民オーケストラの出発点を描いた映画で楽団員の苦悩や恋などに笑いを込めて描かれたヒューマンドラマである。

今井正監督のもと、岡田英次を始め、小林桂樹、岸恵子など錚々たる顔ぶれが集まり、そして作曲家山田耕筰が特別出演をして立派にお芝居をされており、超名作とは言えないにしても、日本映画史、そして日本の音楽史の観点からしても非常に重要な一本と言っても過言ではないだろう。

ストーリー構成に関しては中盤から後半にかけてペースダウンした感触があり、終盤のハンセン病療養所での感動のシーンからクライマックスにかけてもう少しストーリーを捻ってドラマを見せて欲しかった。
そういう意味では一番見せるべきモノが本作には欠けてしまった感じはするのだが、それでも今日においては是非とも見るべき映画の一つではあるように思う。
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