「やんちゃなドニーお兄ちゃんをやさしく見守る会」というような、想像以上にほんわかした話。
中国側の刑事ジン・ティエンは「堅物の妹」という感じで、にもかかわらず悪者を撃ち殺してしまったことにショックを受けて泣いてしまう。そういうところが「妹らしい」とも言えるが、ドニーお兄ちゃんが「まー、気にすんな！」と雑に励ますと、あっさり立ち直って空気銃で遊び出す。「それでいいのか？」とすっかり脱力してしまったが、「エグくない潜入捜査官物もたまにはいいよね」と思い直す。
中盤はどちらかというとジン・ティエンの引き立て役に努めていたドニーお兄ちゃんであるが、ラストのアンディ・オンとの一騎討ちでは攻守の入れ替わりが激しい総合格闘技スタイルのアクションできっちり魅せてフィニッシュ。でも、超絶アクションを堪能するというより、ドニー・イェンの茶目っ気を満喫するための映画だと思う。
