浅野公喜

ドラキュラ'72の浅野公喜のレビュー・感想・評価

ドラキュラ'72(1972年製作の映画)
3.3
ドラキュラが現代のロンドンに甦り、ヴァン・ヘルシングの子孫と戦うクリストファー・リーとピーター・カッシング主演のハマー・フィルム末期の作品。1872年の墓場から空へカメラが動くと現代(1972年)の飛行機が映るOPがイカしてます。

ピーター演じるヴァン・ヘルシングの子孫が孫娘を守る為に戦うという設定は良いですし、ドラキュラ復活後は若者の部下達を従えテンポ良く進むのですが、ドラキュラが現代の文明に触れて驚くという事も無く、最後の顔や体が溶ける所を除けばこれといったハイライトも無く、現代的な道具を使うわけでもなく良くも悪くも古典的な戦いに終始しています(おまけに好きなキャロライン・マンローも割と早く退場)。

ロンドンの街並みをはじめちょっとグラムロックの影響を感じるバンドが演奏する冒頭や妖しい照明のクラブ、ヒッピー達のファッションにファンキーなBGM等70sの雰囲気を楽しむ作品と捉えて観るのが良いかもしれません。ジャケにも写ってる若いドラキュラが乗るトライアンフ・スタッグやマーコス・3リッターもかっこいい。
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