揺籠ふぃるす

ドラキュラ'72の揺籠ふぃるすのレビュー・感想・評価

ドラキュラ'72(1972年製作の映画)
4.0
ハマードラキュラマラソン
第7作/全9作品+番外1作品

カッシング教授カムバック!
3作目
リー様続投6作目
シリーズ通算7作目

1872年カッシング教授とリー様のバトルで幕開け。『吸血鬼〜』のラストバトルを再現したようで嬉しい。
相討ちとなったが、ドラキュラの弟子がパウダー形態のリー様回収、カッシング教授と同じ墓地に杭と共にパウダー(灰)の半分を葬る。

時は流れ1972年。大空をジェット機が飛び、舗装されたハイウェイでは、自動車が行き交う。このジェット機が入ってくる所好き。

音楽も今までのクラシックなノリでなく、まさに70’Sな感じで良い。

明らかに人の家での、バンド生演奏とヒッピーファッションの若者たちの乱痴気パーティー。片や燕尾服やドレスに身を包んだ年配の紳士淑女の方々が眉をひそめてその様子を見つめる。若者たちはおそらくバンドのグルーピー。明らかに招かれざる客で、通報され散り散りに逃げる。
ここの場面が当時の社会風俗の縮図ぽいけど、普遍的で良かった。いつの時代もって奴ですか。

今回のゆるキャラは、誕生日パーティーの主役だったはずの御曹司。

溜まり場にしているカフェ&バーぽい【洞穴】なる店で再び6、7人の男女が集まると悪企み。リーダー格のジョニーの提案で、廃教会で黒ミサをすることに。

あまり乗り気でないジェシカは、ヴァン・ヘルシングの末裔で、祖父であるカッシング教授の忠告に耳を貸さない。この辺は乱痴気パーティーの様子が伏線になってて効いてる。

いざ黒ミサ。廃教会は先々代カッシング教授とドラキュラが葬られた場所であり、ジョニーは弟子の末裔だった。
堂に入った呪文詠唱、有名どころの悪魔の名前と並んでドラキュラの名前がコール。
そしてリー様、土の中から復活、女友達が犠牲に。ここも良くて、後発だけど『死霊のはらわた』思い出した。

その子の遺体が明るみに出て、警察が捜査に乗り出す。その手の専門家であるカッシング教授のもとへ助言を乞うとともに、ジェシカの話を聞きに来て、教授の知るところに。さらに増える犠牲者と吸血鬼。カッシング教授はドラキュラの復活を確信。世紀と世代を越えた戦いに身を投じるのであった――。

スラッシャー系では鉄板のヤンチャ男女グループが痛い目に合う設定を、ゴシックホラーのフィールドでやるのがアガる。

尺の影響か全体的にあっさり風味。もっと観たかった。

あと、ファイナルガール方程式にジェシカがはまってて、面白い。(最近はこの方程式を覆す流れ『X』とか)

リー様の台詞

"私はヴァン・ヘルシング家を滅ぼしに戻ったのだ”

ここが58〜72年の年月とダブってちょっと感慨深くなった。

ラスト
rest in final peace
のテロップ。

でもリー様は蘇るのさ。
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